第44回疾病構造調査報告


投稿日:2024年6月24日|カテゴリー:府民の方へ,疾病構造調査報告

44回疾病構造調査 理事会報告

 

アンケート回答状況 (表1.2.3

表1のアンケート回答状況では診療所回答率は45.5%と前回と変化はなかった。病院では71%から75%に上昇していた。

3での平均患者数は診療所で令和2年度に59.1人まで減少したが徐々に増加して今回68.7人であった。令和元年度74.1人、令和2年度59.1人、令和3年度62.3人であった。病院外来では31.2人と令和元年40.0人と比較して減っている。入院数は変化がない。

 

部位別分類(図1~4)

診療所では鼻・副鼻腔が多く、病院外来では耳疾患が最も多いが、診療所、病院ともに耳疾患が徐々に減少している。病院入院でも耳疾患が減少して口腔咽頭・鼻副鼻腔が増加した。

 

疾患別分類(図58

診療所では、令和元年に急性炎症47.34%であったが、令和2年度に39.19%まで減少した。その後徐々に増加して今回51.85%であった。病院外来でも急性炎症の上昇を認めた。病院入院では、新生物が多いが、令和元年度49.01%から令和2年度42.36%へといったん減少して今回49.23%と戻っている。

 

部位別疾患別分類(図912

診療所では、耳部において機能性疾患、急性炎症、慢性炎症の順になっている。令和2年度3年度に慢性炎症が増えたが令和4年度から急性炎症が最も多い。鼻・副鼻腔疾患においても急性疾患が増加して最多となった。口腔咽頭に関しても、もともと急性炎症が最多であったが比率が上昇している。

病院外来では、耳部においてもともと急性炎症が少なく増加は顕著ではない。前年度と同じ傾向である。

病院入院をみると、耳では機能性疾患が8.30%で慢性疾患4.25%より多いが、慢性疾患の比率が増えている。平成22年度では慢性炎症のほうが多かった。鼻・副鼻腔では慢性炎症が新生物を近年上回っている。平成1719年では新生物が慢性炎症を上回っていた。

 

年齢構成(図1316

診療所では10歳未満と65歳以上が多い。今年度10歳未満および70歳以上の比率がともに減少している。

病院外来では、例年10歳未満の患者は少ない。病院入院では、10歳未満が2.32%で、35歳以降年齢とともに増加する。70歳以上の比率は約40%で変化はなかった。

 

部位別年齢構成(図2231

 診療所では、耳部が年少者と年長者に多いが、10歳以下では16%と平成28年度26%と比較しても年々低下している。鼻・副鼻腔では75歳以上で今回増加しており、10歳以下で減少していた。口腔咽頭では10%を超えるのはどの年齢にもなかった。喉頭においては13.89%で75歳以上が最多であった。病院外来では、すべての部位で年少者が診療所よりも少ない。

 

疾患別年齢構成(4360

 診療所において、急性炎症は9歳以下が圧倒的に多い。慢性炎症は75歳以上が多、アレルギー疾患は514歳が多い。新生物では高齢者が多いがこれらは例年通りである。

病院外来では、急性炎症は診療所と比較して75歳以上の割合が多い。慢性炎症、アレルギー疾患でも年少者の割合が低い。病院入院では、急性炎症、アレルギー疾患は非常に少なくパターン解析できない。新生物は45歳以上が92%を占め、機能性疾患では40歳以上が80%を占める。

 

診療所ブロック別比較

部位別分類

どの疾患もブロック別での差異は年度によって変化があり特定のパターンはない。

疾患別分類

 急性炎症は今回堺地区が多かったが、毎年一定ではなく、他の疾患群でもブロックでのパターンはない。

 

年齢構成、ブロック別比較(63-163-11

 04歳では今回、B2三島ブロックB8大阪市北部の順で多く、大阪市東部が最も少ない。75歳以上では、大阪市西部、大阪市北部の順に多く、三島地区が最も少なかった。

大阪市東部地区が04歳の比率が低くB9大阪市西部で75歳以上の比率が最も多かった。

 

滲出性中耳炎

 滲出性中耳炎に関しては、前回より耳疾患の急性炎症、慢性炎症に含まず単独で集計している。全体として耳疾患の急性疾患+慢性疾患+滲出性中耳炎に占める滲出性中耳炎の比率は32.68%であった。長期的には滲出性中耳炎の割合は全体として減少していると思われるが、本年度は令和4年度より増加していた。

本調査にあたり、ご協力を賜りました日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会大阪府地方部会、ならびに各病院、各診療所の会員諸先生方に厚く御礼申し上げます。

 

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