第43回疾病構造調査
アンケート回答状況
表1のアンケート回答状況ではコロナ禍に50%まで上昇していた診療所回答率は45.5%まで低下した。
表3での平均患者数は診療所で65.8人と微増したが令和元年度74.1人、令和2年度59.1人、令和3年度62.3人と減少したままである。病院外来も30.3人と令和元年40.0人と比較して減っている。入院数は変化がない。
部位別分類
診療所では鼻・副鼻腔が多く、病院外来では耳疾患が最も多いが、比率的に両方とも耳疾患が減少している。病院入院でも耳疾患が減少して口腔咽頭・鼻副鼻腔が増加した。
疾患別分類
診療所では、令和元年に急性炎症47.34%であったが、令和2年度39.19%令和3年度38.66%
と減少していた。今年度急性炎症46.54%で上昇した。病院外来でも急性炎症の上昇を認めた。病院入院では、新生物が多いが、令和元年度49.01%、令和2年度42.36%、令和3年度52.04%、本年度は53.71%と令和2年度の減少後は増加してきている。
部位別疾患別分類
診療所では、機能性疾患、急性炎症、慢性炎症の順になっている。令和2年度、3年度は慢性炎症、機能性疾患、急性炎症の順であった。鼻・副鼻腔疾患においても急性疾患が増加して最多となった。口腔咽頭に関しても、もともと急性炎症が最多であったが比率が上昇している。
病院外来では、もともと急性炎症が少なく増加は顕著ではない。前年度と同じ傾向である。
病院入院をみると、耳では機能性疾患が11.52%で慢性疾患1.95%より多く近年はこの傾向である。平成22年度では慢性炎症のほうが多かった。鼻・副鼻腔では慢性炎症が新生物を近年上回っている。平成17年19年では新生物が慢性炎症を上回っていた。
年齢構成
診療所では10歳未満と65歳以上が多い。今年度10歳未満の比率が増加したが、70歳以上の割合は減少している。
病院外来では、例年10歳未満の患者は少ない。病院入院では、10歳未満が1.37%で、40歳以降年齢とともに増加する。70歳以上の比率は毎年増加している。
部位別年齢構成
診療所では、耳部が年少者と年長者に多いが、10歳以下では15%と平成28年度26%と比較しても年々低下している。鼻・副鼻腔では近年75歳以上で増加しておらず、10歳以下で増加がある。口腔咽頭では10%を超えるのは75歳以上のみであった。喉頭においては昨年度より減少していた。
病院外来では、すべての部位で年少者が診療所よりも少ない。
疾患別年齢構成
診療所において、急性炎症は9歳以下が圧倒的に多い。慢性炎症、アレルギー疾患、新生物についても例年同様である。
病院外来では、急性炎症は診療所と比較して75歳以上の割合が多い。慢性炎症、アレルギー疾患でも年少者の割合が低い。病院入院では、急性炎症、アレルギー疾患は非常に少なくパターン解析できない。新生物は45歳以上が92%を占め、機能性疾患では40歳以上が89%を占める。
診療所ブロック別比較
部位別分類
どの疾患もブロック別での差異は年度によって変化があり特定のパターンはない。
疾患別分類
急性炎症は今回堺地区が多かったが、毎年一定ではなく、他の疾患群でもブロックでのパターンはない。
年齢構成
0~4歳では今回、中河内地区、大阪市西部の順で多く、北河内地区が最も少ない。75歳以上では、北河内地区、南河内地区の順に多く、大阪市西部が最も少なかった。
北河内地区が0~4歳の比率が低く75歳以上の比率が最も多かった。
滲出性中耳炎
今回滲出性中耳炎に関しては、耳疾患の急性炎症、慢性炎症に含まず単独で集計している。全体として耳疾患の急性疾患+慢性疾患+滲出性中耳炎に占める滲出性中耳炎の比率は減少傾向である。